2013年1月13日日曜日

出版されてる手本(法帖)の選び方

 古典の手本(法帖)はいろいろな出版社から発行されています。和書では、二玄社の「中国法書選」シリーズ(全60巻)、天来書院の「テキストシリーズ」(全60巻)がよく使われてるかと思います。

 「より臨書しやすく、使いやすく、お手頃なもの」と考えますと、上に挙げたものと、「精選 拡大法帖」あたりが、良いかと思います。その他にも、原色再現にこだわった「原色法帖選」や、中国のもの、折帖のもの、古書店でしか入手できないものなど、なかなか種類が多くて迷ってしまいます。

 どんな手本が使いやすいか、自分のスキルアップに一役買ってくれるか・・・、漢代の隷書、「礼器碑」の手本(和書)の4種類で説明します。


礼器碑[後漢/隷書] (中国法書選 5)
定番ともいえる「中国法書選」シリーズは、多色印刷で墨色がうまく再現されていて、美しく、使いやすい本です。採用している拓本も質の高いものが選ばれていシリーズです。
用紙にやや光沢があるので、テカリが気になる人もいるかもしれません。また、拓本で判読できない文字の説明などが無いので、読めない部分は書けないこともあります。


礼器碑 (百衲本)
礼器碑 (百衲本)
天来書院
こちらも定番の「天来書院テキストシリーズ」。1色刷りで、鑑賞よりも実用を重視した手本。拓本の見えない部分や、わかりづらい文字は、骨書きなどが記載されてます。
百衲本は、いくつかの拓本の良いところを組み合わせた、いわゆる”いいとこ取り”ですので、独習される方には重宝な本です。用紙はテカリのないものを採用しています。

 上の2つシリーズは、法帖の全文が掲載されています。

※二玄社の「中国法書選」と、「中国法書ガイド」がありますが、後者は「法書選」に対応した、基礎知識や解説の本で、サイズの小さい本です。ネットでご購入される場合には、名前が似ているのでお間違えの無いように…



礼器碑―後漢 (精選拡大法帖)
礼器碑―後漢 (精選拡大法帖)
二玄社

細部にこだわった臨書をしたい方にはおすすめできます。全文掲載されていないことが多いシリーズです(拡大して全文を掲載するには、かなりの頁数になると思うので、いたしかたないです)。
多色刷りで見やすく、拡大されているので、文字の細かい部分までよく見えます。半紙に4~8文字ぐらいの臨書だと、この本の文字のサイズとだいたい同じくらいになるので、見比べるやすくなります。

書道技法講座〈13〉礼器碑
二玄社

「書道技法講座」シリーズは、改訂版になってからDVDが付属しています。罫線入りの下敷きも付属していて、基本点画から、用筆法までしっかり解説されているので、初心者の方や、この法帖にはじめてふれる方の独学に最適です。


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