ラベル 隷書 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 隷書 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年2月11日月曜日

素朴な趣の漢代の古隷『魯孝王刻石』


魯孝王刻石
ろこうおうこくせき

魯孝王刻石
時代:漢・五鳳2年(B.C.56)
書者:不詳
書体:古隷
現存:山東省曲阜 孔子廟

 五鳳二年刻石(ごほうにねんこくせき)とも呼ばれ、木簡などが発見されるまで、この刻石は前漢の最も古いものとして有名でした。

 前漢の宣帝時代、五鳳2年(B.C.56)に、魯の霊光殿内部の建築竣成を記念して刻したもので、「五鳳二年 魯丗四年 六月四日成」と3行、13字が刻されています。

 金の明昌2年(1191)に魯国の旧郡、山東省曲阜縣靈光殿址で出土した石刻で、現在は曲阜の孔子廟に現存しています。

 書風は、波磔を極力おさえた素朴な「古隷」の代表挌と称され、古来より篆書体から隷書体への過渡期にある書といわれてきましたが、木簡をはじめとする数多くの新出土の肉筆資料が発見されている現代では、当時の実用通行書体を少し格式ばって権威性をあらわした書とされています。「年」の縦画を長くのばしている書法は、漢代によく見られ、居延漢簡、石門頌、張景造土牛碑、李孟初碑、などにもみられ、この碑は早期の例としても注目できます。


【関連リンク】

孔子廟の魯孝王刻石(好古斎さんのサイト)
孔子廟の魯孝王刻石の写真が見られます。

清・楊峴「隸書魯孝王五鳳刻石」臨書(國立故宮博物院のサイト)
臨書作品が故宮博物院のサイトで見られます。

山東省曲阜の地図(旅情中国のサイト)
面白いです。


【関連書籍】


郙閣頌と刻石四種 (知られざる名品シリーズ第1期)

天来書院

「郙閣頌」の他、「魯孝王刻石」「莱子候刻石」「子游残碑」「楊陽神道闕」が掲載されています。



2012年12月27日木曜日

『西狭頌』は、作者名があきらかな最古の碑

西狭頌
せいきょうしょう


作者:仇靖(きゅうせい)
時代:後漢・建寧4年(171年)
現存:甘粛省成県
書体:隷書(八分)

 甘粛省武都郡の太守であった李翕(りきゅう)が、郡内の西狭の険路を改修した功績を讃えた頌文を岩壁に刻した摩崖*。全名は『武都太守李翕西狭頌』(ぶとたいしゅりきゅう-)で、『李翕頌』ともよばれる。

 碑の左側に「従史位、下弁仇靖、字漢徳書文」と小字題名に刻され、文字は彼の下役の仇靖(きゅうせい)が書いたことがことがわかる。書丹者の名が明らかに刻されている碑としては最古のものである。

 1文字は約8~9㎝四方あり、一字の欠損もない。また、碑の右側にはかつて李翕の徳業のために現れた瑞兆を示す、龍や鹿などのめでたいものの絵が刻され「五端図」と称されている。

 書風は八分ではあるが、波磔はあまり大きくなく、字形と筆意に古朴な趣があり、ゆったりとしていて都会的な弱さはない。意志的なたくましい書きぶりは、漢隷の正則と評されている。また、野性的な書を好む人に好まれている。

 隷書の入門としてもよく。臨書では均一な線を使ってもよいですし、古い摩崖の岩肌を感じさせるような書きぶりにしてみるのも面白い表現ができると思います。

*摩崖(まがい)= 摩崖刻・摩崖碑 =自然の岩壁を利用し、その岩面に文字を刻したもの。


【西狭頌を観る旅】

「漢の三大摩崖頌といわれる西狭頌郙閣頌(ふかくしょう)、石門頌(せきもんしょう)を堪能する旅」。甘粛省成県の西方約17kmの東栄村にあります。海抜1200mの天井山と単山に挟まれた魚竅峡の天井山下の岸壁に刻されています。詳しくは、日中平和観光株式会社へ...

【Googleマップで見れるか?】

甘粛省 隴南市 成県


【関連書籍】