『和漢朗詠集』 川口久雄著
わかんろうえいしゅう
三の丸尚蔵館所蔵の倭漢朗詠集 |
この本(和漢朗詠集)は、御物の伝藤原行成筆、いわゆる粘葉本(でっちょうぼん)の『倭漢朗詠集』を底本としています。
底本は、縦20cm☓横12cmと、あまり大型本ではない寸法でで、手本として持ち運びに便利なかたちとおもいます。おの料紙は紅・藍・黄・茶色の薄めの唐紙に雲母引の唐花紋を刷り込んだようなとても凝った優雅な紙を使って、粘葉じたて(胡蝶装)の古風な装丁の本です。そこに楷書・行書・草書をまぜ書きした漢詩と、いわゆる行成流の草仮名(そうがな)で表記した和歌を交互に書き写した古写本です。上帖・下帖の2冊したてで、上巻は58丁、下巻は59丁の料紙を綴じています。巻首に「倭漢朗詠集」、巻尾に「倭漢抄」と内題をしるします。
底本は最善本ですが、写本ですので、時に誤字脱字があるのは避けられないことですが、明らかに誤脱と考えられるところは、出典の原拠のテキスト、または永享本などで対校して訂正が加えられています。
著者の川口久雄氏は、1910年生まれ。東京文理科大学文学部出身で、国文学(平安時代)を専門とする文学博士。著書に『平安朝日本漢文学史の研究』『菅家文草』『西域の虎』『花の宴』『絵解きの世界』『平安朝の漢文学』などがある。
【参考】
・宮内庁三の丸尚蔵館 - 『粘葉本和漢朗詠集』
【関連項目】
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