2012年12月27日木曜日

『西狭頌』は、作者名があきらかな最古の碑

西狭頌
せいきょうしょう


作者:仇靖(きゅうせい)
時代:後漢・建寧4年(171年)
現存:甘粛省成県
書体:隷書(八分)

 甘粛省武都郡の太守であった李翕(りきゅう)が、郡内の西狭の険路を改修した功績を讃えた頌文を岩壁に刻した摩崖*。全名は『武都太守李翕西狭頌』(ぶとたいしゅりきゅう-)で、『李翕頌』ともよばれる。

 碑の左側に「従史位、下弁仇靖、字漢徳書文」と小字題名に刻され、文字は彼の下役の仇靖(きゅうせい)が書いたことがことがわかる。書丹者の名が明らかに刻されている碑としては最古のものである。

 1文字は約8~9㎝四方あり、一字の欠損もない。また、碑の右側にはかつて李翕の徳業のために現れた瑞兆を示す、龍や鹿などのめでたいものの絵が刻され「五端図」と称されている。

 書風は八分ではあるが、波磔はあまり大きくなく、字形と筆意に古朴な趣があり、ゆったりとしていて都会的な弱さはない。意志的なたくましい書きぶりは、漢隷の正則と評されている。また、野性的な書を好む人に好まれている。

 隷書の入門としてもよく。臨書では均一な線を使ってもよいですし、古い摩崖の岩肌を感じさせるような書きぶりにしてみるのも面白い表現ができると思います。

*摩崖(まがい)= 摩崖刻・摩崖碑 =自然の岩壁を利用し、その岩面に文字を刻したもの。


【西狭頌を観る旅】

「漢の三大摩崖頌といわれる西狭頌郙閣頌(ふかくしょう)、石門頌(せきもんしょう)を堪能する旅」。甘粛省成県の西方約17kmの東栄村にあります。海抜1200mの天井山と単山に挟まれた魚竅峡の天井山下の岸壁に刻されています。詳しくは、日中平和観光株式会社へ...

【Googleマップで見れるか?】

甘粛省 隴南市 成県


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